恩師・A先生

 8月1日は大学時代の恩師・A先生の命日。2014年逝去。自分の人生に大きな方向と影響を与えてくれた。亡くなったのを知らなかった。その年初冬に奥様から手紙と一冊のノートが届いた。電子メールの往復便スクラップ帳で、膨れていた。
 
 1998年7月10日から2011年2月24日までの分。自分の日々の仕事の模様、悩みなどが詳細に書いてあり、先生から励ましのコメントが多い。先生の案内で散歩した札幌のいくつかの公園や施設には、いま、どんな風が流れているのだろう。
 
 メール以前に手紙のやりとりがあった。その書簡が入った大箱2個。こうした交信でいつも先生から勇気をもらい、立ち直った。最期の文面は「考えても無意味な寿命八十代、戦死した二人の叔父は二十代」、「野良猫はどこで越冬しているの」。
 
 「病名などよりも大切なことは、人生という『旅』をどう生きるか、だと思います。折にふれ、つれづれの文通によって、心の交流をつづけましょう」。この先生の言葉には、感謝の気持ちだけです。先生、こんど札幌に行ったらどこに行きましょうか。