2015-01-01から1年間の記事一覧

「思い出の歴史」

◆ 暖冬・晴れの大晦日。雑記帳メモから眼に飛び込んできた言葉。〈時計の針が前にすすむと「時間」になります/後にすすむと「思い出」になります〉。寺山修司の詩「思い出の歴史」(東日本大震災から一年後の2012.3.11./読売「編集手帳」から)。わたしは今年…

往時茫々

勤めていた頃は29日で仕事納めが多かった。お昼ごろ社員が挨拶回りを終えて、「お疲れさまでした」と軽く紙コップで乾杯した。そのままじっくり話し込んで飲み続ける人もいたが、オレは先輩Uさんと一緒に新橋・「玉藻」でうどんを食べるか、烏森通りの蕎麦屋…

宛名書き苦戦中

年賀状の宛名書きを昼前から始めて、さきほどから休憩中。疲れる。集中力が落ちていることに愕然とするが、仕方ない。今年はハガキ枚数を三分の二にした。残すか残さないかを考え始めたら残せなくなる。エイッ、ヤッーでやらなければならないのだが、つい一…

「敗北の匂い」

「釘箱の中から匂う冬の海」(渡辺誠一郎)―今朝の読売「四季」(長谷川櫂)。句を見て、いくつも過去の空間が浮かんだ。「そうなんだ」とうなずく自分がいる。錆びた鉄の匂いはたしかに厳冬の潮風の匂いだ。今日の一句は発想が劣化してきた自分の感性をいま一度…

暮れの記憶

子どもの頃、暮れの26日もスケソウダラの最盛期入りでわが家は多忙だった。父親は連日漁に出て、漁業無線で「5万(尾)なので、手配頼む」などと伝えてきた。陸に上げた網から魚を外す働き手(はずし子)を確保しておけという意味だ。小母さんたちが小さなカギで…

クリスマス食事会

昨日でかける前に家人が「晩ご飯はNさんが作ってくれる。みんなで食べようって」。帰宅したら息子夫婦がご馳走を2階から我々の食卓に運んでいた。六人掛けテーブルなのでちょうど良かった。4歳男児が「みなさん準備はいいですか? ―クリスマスおめでとう!!」…

クリスマスカクタス

我が家の玄関を開けると、満開の赤いシャコバ(蝦蛄葉)サボテンが迎える。お客さんや宅配便のお兄さんがチラっ、ニコっ。シャコバは海のあの蝦蛄に似ている葉からきているのかな!? このサボテンはクリスマスカクタスとも呼ばれる。今年は開花のタイミングがク…

正月に読む本

お正月に読む本を決めた。①「考える力をつける本2」(轡田隆史、三笠書房)、②「ふるさとへ廻る六部は」(藤沢周平、新潮文庫)、③「すべての人生について」(浅田次郎、幻冬舎文庫)。①は先週から寝る前少しずつ読み始めている。再読。轡田氏はかつて朝日夕刊コ…

「記憶に残る人」逝く

昨夕取り出した郵便類の喪中ハガキの差出人がMのように見えた。一瞬、悪い予感がした。灯りの下で見たら、さいたま市大宮のMさんが「病気療養中でしたが、先週11日に亡くなった」とご子息からの通知だった。「葬儀は故人の意思により家族のみで執り行った」…

「YAMAMOTO’s Fruits=Special Sweets」

宅配便の箱を開けたとたん、「マッサン」の町・余市リンゴの甘い香りが顔を包んだ。ハッチ君が送ってくれた「ふじ」と「王林」の一級品だ。ハッチ、山本幸章君は余市高校同級生。地元で山本観光果樹園を経営する。年間5万人強の来園者があり、3割は外国人客…

私の漢字=「飛」

今年の漢字が「安」に決まったとか、年賀状の受付が始まったとのニュースが流れていく。さすがに12月半ばになれば世人の歩くスピードが上がってくる。医師も看護師も走る。彼らはほとんどがヨタヨタ歩きの老人患者の間をすり抜けて早足で移動していく。みん…

「落葉」と「落陽」

「アニキ、おはよう!」。きのう朝、携帯が鳴って弟からだった。彼からはめったにかかってこないので、「どうした?」。「なんも、正月用のもの少しだけど送った。火曜日に届くから」。彼はいま岩内の会社に頼まれて、電気工事の仕事を再開した。「今朝母さん…

点滴治療

木曜夜から発熱、37.9度だったので解熱剤を服用。昨日の血液検査で炎症反応の数値が高いという。即一回目の点滴をおこない、「土日もつづけてください」と医師から指示があった。季節の変わり目の気候変動に体がついていけない。3ヵ月に一回程度、熱が出る…

〈行く年や猫うづくまる膝の上〉

▼ 〈行く年や猫うづくまる膝の上〉。きょうは夏目漱石没後99年の命日(朝日・天声人語)。漱石は徹底して権威主義を嫌った。犬のように権威に尾を振らず、猫のように柔軟な精神で大胆に皮肉った。この句、漱石は猫が自分に懐(なつ)いて膝の上にいるのではなく…

「南部蝉しぐれ」

このところ何回か「南部蝉しぐれ」をYouTubeカラオケで練習している。もちろん声が出ないし、下手だ。最近、自分の声が細く弱々しくなっているので高い音程の難しい曲にあえて挑戦。「♪時節は来ると風が言う」の歌詞を信じてもう少しつづける。 「♪浮世小路…

冬本番へ

同じ地区に住むKさんの奥さんが、柿を届けてくれた。袋に20個以上入っていた。「奥さんから蜜入りの美味しいリンゴをいただいたので」。Kさん宅の柿の木から収穫したという。町内のところどころに柿の木があり、秋になると実の色が緑からしだいに朱みを帯び…

「ささやかな ぼくの母の人生」

今朝、札幌の妹に電話。13日が母の命日なので、積丹町の上の妹が準備を始める前に連絡した。「12日(土)にお姉さんと小樽で会って買い物をする。私はお菓子を買うから、お兄さんはお花にしたらどう?」。そうした。「代金は後日に」と言ったら、「そんな大袈裟…

両手親指の傷

この数日、両手の親指先がジーンと痛かった。右の親指は爪の中央部分の先、左手は爪の右端から割れ目が入った。3ミリほどの短い傷のわりに痛みが鋭い。看護師さんに見てもらったら、「切れてできた傷です。消毒して薬をつけてテープを巻いておきます」。気分…

12月1日に思う

半分休眠状態だった私の2015年も残すところ30日。悲喜こもごもあって現時点では、7勝7敗。あと一ヶ月で勝ち越しか、負け越しかが決まる。このまま五分五分ぐらいがちょうどいい。新聞が一年間の出来事を国内と海外に分けて列挙している。そうじゃなくて、海…

長谷川きよし、あがた森魚、山崎ハコ、りりィ

実に久しぶりに長谷川きよし、あがた森魚、山崎ハコ、りりィの歌を聴いた。われらと同じように年齢を重ねていた。長谷川が「別れのサンバ」、そして「黒の舟歌」を歌った。「黒の舟歌」を聴きながら、神田・山の上ホテルの「腰巻大賞」パーティーで、金子光…

「マイナンバー通知カード」届いた

午後4時前にマイナンバー通知カードが届いた。自分の名前確認をしてハンコを押した。「女房の分は?」と聞いたら、「ご一緒に入っているのでは? 中味までは詳しく聞いておりませんから」との返事だった。開封したら家人の分も入っていた。 昨日の新聞に配達が…

「青い山脈」、新子・杉葉子さん

昨夜から「伝説の女優」・原節子さんが亡くなっていたとの報道が相次ぐ。今朝の朝日、読売一面は「原節子さん死去 95歳『東京物語』『青い山脈』」とまったく同じ。このニュースを見ていて、20代半ばの自分を思い返して赤面した。「青い山脈」で寺沢新子を演…

雪虫

今朝起きて居間に入ったら、小樽運河の雪模様がテレビに映っていた。北国にいよいよ冬が到来したんだなあ、もう一度画面を見直した。新聞をゆっくり読んでいると、札幌の妹から「一晩で雪景色。木々もすっかり覆われてしまいました」と写メが届いた。 帯広人…

「寂聴さんの晩節」

▼ 我、いまだ晩節に至らず。NHKスペシャル「瀬戸内寂聴・93歳」を見ながら、そう思った。彼女は「(晩節を汚さずとは)考えていない」と述べた。すべては書くため。その執念は鬼気迫る。いや、鬼気そのものだ。人生は強弱、陰陽、生死、諸々の葛藤で糾(あざな)…

「小樽・余市ゆき物語」スタート

「“マッサン”のロケ地にイルミネーションが灯る 今年、『余市ゆき物語』初開催♪」―そんな見出しが昨日届いた旅行会社のメールニュースにあった。小樽市で開催されているライトアップイベント「小樽ゆき物語」に今年から余市町がコラボする。本日(11月21日)か…

マイナンバー、波乱含み

今朝の朝日、読売の両紙・埼玉版によれば、坂戸郵便局でもマイナンバー通知カードの誤配達があった。日本郵便関東支社が発表。誤配達は県内で計7件に。 「鶴ヶ島市の再配達の書留を約30㍍先の同姓の別人に届けた。再配達を求めた世帯から17日、『届かない』…

筆力

葉書を投函するため眼鏡店近くのポストに向いながら、父の葉書を思い出した。子どもの頃、父は長い漁から戻るたびに北海道栗沢町に住む妹に便りを書いた。筆力のある元気な字だった。「ポストに入れてきて」と渡されて、川向こうにある商店の前のポストに走…

写真家Tさん、野菜持参で来訪

土曜日午後、ピンポーンが鳴ったのでモニターを見ると、なんと隣の高坂に住む写真家・Tさんの顔だ。7、8年ぶりなのでむりやり家に上がってもらう。Tさんは手作りの野菜を一抱え持参してくれた。売り物よりも立派なほうれん草、玉葱、春菊、レタスなど。あり…

寒い朝

「寒い一日になる」との予報どおり、冷え冷えする朝だ。移動灯油販売車が「18L1480円」と連呼して通り過ぎた。読売、朝日の順で読み終えて、愛読している数人のブログを開く。友人・経済ジャーナリストの「無職家のつぶやき」はニュース感覚にあふれていて、…

「禍福は糾える縄」

「禍福は糾(あざな)える縄の如し」、「禍と福は紙一重、すぐ裏返る、司馬遷『史記』の記述に基づくことわざ」とある。今朝の朝日「折々のことば」から。このコラムを見た瞬間、向田邦子の脚本やエッセイ、そして彼女の起伏に富んだ短い人生を思った。 向田…