「落葉」と「落陽」

 「アニキ、おはよう!」。きのう朝、携帯が鳴って弟からだった。彼からはめったにかかってこないので、「どうした?」。「なんも、正月用のもの少しだけど送った。火曜日に届くから」。彼はいま岩内の会社に頼まれて、電気工事の仕事を再開した。「今朝母さんの日なので坊さんに来てもらったから」。かなり元気に働いているのが声で分かった。
 
 日曜昼前に点滴から自宅に戻ってお昼はピザとコカコーラ。口の中がさっぱりしないので味の濃いものがほしい。家人にその旨伝えておいた。晩飯は「塩糠ニシンと落葉キノコの三平汁」、「ブリのタタキ」、「ウドの酢味噌和え」だった。積丹町の妹が送ってくれた食材でつくってくれた。〈積丹メシ〉にまず眼が喜んだ。落葉キノコの食感が何かを思い出させた。
 
 ラクヨウといえば、吉田拓郎の「落陽」、〈♪とまこまい発・仙台行きフェリー〉だろう。今年夏、家人の実家で義兄の話にみんなで大笑いした。30数年前に、坂戸で最初に住んだ家から現在の場所に引越しした。そのとき兄が車に義父母を乗せて、我々に知らせずに坂戸をめざしていた。「落陽」のフェリーでだ。家人が母親に用があって電話した。
 
 留守番していた義姉が電話に出た。義兄からバラスのを止められていた。「やぁ、あのときはドキドキしたよ」。結局、ウソをつけなかった義姉が実は…と話した。仙台から高速で飛ばしてきた三人は引越ししている我々の前に車を着け、「間に合ったね」。サプライズは成功した。家人は来訪をオレにも子どもたちにも伝えなかった。びっくりポンだった!!