長谷川きよし、あがた森魚、山崎ハコ、りりィ

 実に久しぶりに長谷川きよしあがた森魚山崎ハコ、りりィの歌を聴いた。われらと同じように年齢を重ねていた。長谷川が「別れのサンバ」、そして「黒の舟歌」を歌った。「黒の舟歌」を聴きながら、神田・山の上ホテルの「腰巻大賞」パーティーで、金子光晴を前に野坂昭如がべろんべろんに酔いながら歌ったのを思い出した。
 
 あがたは身ぎれいになっていた。「赤色エレジー」は隠れ話題曲で、昭和の裏面を切り取るように描写している。山崎が歌った浅川マキの「赤い橋」は北山修の作詞。浅川はいつも幻影のように歌とともに浮かんで消えた。りりィは当時のカリスマ性は少し薄れたが、じゅうぶん聴かせた。でもやはり昔の「私は泣いています」がいい。
 
 昨日のNHKプレミアム「ザ・フォークソング」の後半だけ観た。かれらの歌心は一挙に自分を若かった時代に連れて行った。髪の長かったHくんが歌ってくれた曲の数々だ。フォークの新しい旗手たちの歌だった。それぞれの個性、というよりクセのある声と歌唱法は、詩作を始めていた自分の感性の糸を鋭く刺激した。NiceYesterday!!