延長15回裏、魔の一球

   各紙の見出し「暴投」というニュアンスより「ややワイルドピッチ気味」だった。その一球が勝敗を分けた。外角を狙ったボールが指先に引っかかったのは明らかだった。捕手が後逸した。意外な結末でゲームセット。明徳義塾の勝利。智弁和歌山の東妻(あずま)投手の動作が一瞬止まった。延長15回裏、この回を乗り切れば再試合になるはずだった。強豪同士の対決はミスで決まることがある。魔の一瞬だ
 
 昨日、智弁和歌山明徳義塾の試合を8回から見始めた。予想通り1対1の好試合を展開していた。一回戦での対決はもったいない試合だ。明徳の岸投手は球速、威力ともにほとんど衰えなかった。岸投手をはじめ明徳ナインは鍛え抜かれていた。体格的には智弁和歌山の方が勝(まさ)っていたが、チーム力、まとまりは明徳が少しだけ上回っていたように感じた。見る側も肩に力が入った好試合だった。