Tさんからの「訃報」

   昨夜からずっと半分泣いている。友人Tさんから届いた厚い封書にたたまれていた「報告」を読んだからだ。『K子と、私と、2匹の犬と~妻の闘病、私たちの28年間について』とタイトルがついている。奥様がガンのため今年10月上旬に亡くなられた。56歳だった。
 
 今年1月にガンと判明、すでに末期だったという。その後の治療、療養生活、最後の日々が詳しく綴られていた。夫妻がどんな状態で、どんな話をし、どんな最後を迎えたかが詳しく書かれていた。最期まで希望をもって二人で生きた証しは、実に「尊い」。自分に考えさせ、教えられる。
 
 「私の最大の理解者であり、人生をともに歩んだ戦友でした。私は途方にくれるばかりです。どう生きるか、何も考えられません。けれども、とにかく前に向って歩いていきます。逃げ道はどこにもありませんから」
 
 Tさんは私が独立した前後に最大の貢献をしてくれた一人だ。一昨年夏、私が仕事を再開してすぐ皇居前・パレスホテルでお茶を飲んだ。Tさんは自らの経験から「障害者雇用」をテーマに執筆を続け、活躍している。昨夜、妻が長い時間をかけて、この文章を読んでいた。