「クローズアップ現代」で大衆酒場論

 昨夜のNHKクローズアップ現代」で大衆居酒屋論をやっていた。「酒場放浪記」(BS・TBS)の酒場詩人・吉田類さんを紹介。いまや酒飲みのカリスマだ。若者たちも崇めるほどの人気ぶり。黒ずくめの服装で、夜な夜な昭和の匂いがあふれる個性的な居酒屋を探訪し続けている。
 
 飯田橋駅東口すぐ側にある赤提灯「鳥政」もその一つ。K出版社で以前活躍したUさんと四年前に再会した時に、また、その店に案内された。かつて、彼の友人でI書店・Nさんと三人で飲んだ。場所柄、出版関係者が常連だが、ご主人と女将のおもてなしはなかなかだ。客との距離がごく近いのがいい。
 
 久喜のHくんに三年前に連れて行かれたのが、神保町交差点近くの「酔の助」。ここは広くて会社グループの客も多い。数え切れないほどのメニューが張り出されている。Hくんは古書収集家で、この町に詳しい。学生時代の四人で来て、長話した。「酔の助」もかつて類さんが紹介した。
 
 「第一空間が自宅、第二空間が会社、居酒屋は第三空間だ」と、早稲田の社会学者がコメントしていた。仕事のシステムやマニュアルから解放されて、チョイ飲みして早めに帰宅する。いまどきは吉野家スターバックスでも酒を出す。昔と違ってヤワな飲み方だ。それも多様化している。
 
 自分にとっての大衆酒場は「田村町升本」(たこおでん)、虎ノ門「登茂恵(ともえ)」(全国の地酒/閉店中)、池袋「萬屋松風(よろずやまつかぜ)」、新橋「おふくろ」など。若い頃の恥ずかしい思い出が泣きたくなるほど詰まっている。ここしばらく出かけていない。桜が咲く頃、さて誰と行こうかな!?