「まともさ」

  『▲「新聞の世界はつねに新しい。しかし変わらない」。チェコの作家で、新聞記者だったカレル・チャペックの「新聞賛歌」の一節である。5万度の朝、変わる時代を報じてきた小紙は、同時にいつの世も変わらない人間の喜びや悲しみ、勇気や優しさをも報じてきた▲その小紙がいよいよ足を踏み入れる「5万号後」の世界だ。変転極まりない世界で、決して見失わないよう心したい人間の変わらぬ「まともさ」である。』
 
きょうの朝刊で創刊5万号を迎えた毎日新聞「余録」からの引用。「新聞の世界はつねに新しい。しかし変わらない」というチャペックの言葉は、至言だ。これによれば、人間の喜びや悲しみ、勇気や優しさの本質は変わらない、ということになる。
 
だから、喜怒哀楽の主役が一人ひとり交代していき、時代が移っていく。いま私たちは「変わらぬまともさ」をもっているか?! 「新聞が変わる」時には気をつけよ、との警鐘にも聞こえる。「まともさ」が軽んじられ、そしられているような風潮の中で。