「報知に秋山あり」

 今朝の読売文化面に「秋山駿さんの蔵書で文学館」とある。西東京市武蔵野大学・武蔵野キャンバスに開設されたという。文芸評論という領域で独特の展開を示した秋山さんを愛読した。若いころ読売文化面での執筆や新刊にむさぼりついた。
 
 たばこの広報担当だった当時、報知新聞文化部のK記者と取材に行くことになった。新宿からのバスの中で、Kさんは「報知に秋山駿ありといわれた。秋山さんのつける見出しはカミソリのようだ、と他社整理部に恐れられた」と教えてくれた。
 
 Kさんは当然文学に造詣が深く、ひとまわり年下の自分に秋山氏、丸山健二氏の作品を勧めた。帰りのバスでもKさんの文学談義はつづき、夢心地で聞いていた自分を思い出す。賢者からの魔球を受け取る幸運に興奮する力はまだ残っているか。