「ただ一つの慰め」

 悲しみや苦しみが人生で避けられないものであるのなら、わたしたちはどうするのか。多くの人がかつてか、いまか、この壁に直面する。その中で生きている。そして求めるのは、家族や友人、やりがいのある仕事、お金や名声などそれぞれ。
 
 この背景にはもう一つ、ぜったい避けられない死がある。人がほかの生き物と違うのは死を意識すること。過去を後悔し、未来に不安を抱く。わたしたちの日常の姿だ。心は荒波にもまれて激しく揺れているが。他人にはみせない。
 
 きのう教会の礼拝からもどった家人が一冊の本を渡してくれた。「ただ一つの慰め―『ハイデルベルク信仰問答』によるキリスト教入門」(吉田隆、教文館)。6月10日発行。発行されたことは知っていたが、入手していなかった。読みたかった。
 
 生きている今も、死を迎えるときも「ただ一つの慰め」とはなにか。キリスト教信仰の入門書である「ハイデルベルグ信仰問答」をとおして、もう一度基本から自分の歩みをあらたにスタートする。著者の吉田隆先生は神戸改革派神学校校長。