中国・西安からの返信メール

昨夜8時過ぎ、中国・西安のTさんから返信メールが届いた。要約して記載する。
 
「『島』をめぐって新聞はトップ記事で、また、テレビも毎日のように詳しく報道しています。西安でも今日は数千人規模のデモがあったようです。昨日(土曜日)は同僚と車で外出した際、大通りで渋滞に巻き込まれました。片道3車線は乗用車、タクシー、バスなどでぎっしり。ストップしてなかなか進みません」
 
「しばらくして、バイクでやってきた青年が、日本車のドライバーに伝えていました。『この先のほうからデモの集団が来る。日本車は狙われるかもしれけないから避難したほうがいい』。私たちの車の周辺にいた日本車数台は、方向転換して路地に入ろうとしたが、車が詰まっていてなかなか身動きできません。それを見た周りの自家用車やバスの運転手は、協力して、少しずつバックしたり移動したりして、なんとか避難することができました」
 
「まもなく国旗を手にした若者の集団数百人が、私たちの車の間を『釣魚島中国的!』、『加油!中国!(がんばれ、中国!)』と叫びながら通り過ぎていきました。彼らはほとんどが20代で、学生や定職を持たない若者のようです。国旗以外は何も持っていませんでした。このとき日本製の車が何台か被害にあったという『うわさ』です。ネットで見ると西安の中心部ではホテルのガラスが割られたというニュースもあります」
 
「新聞の論調は『愛国心は十分理解できる。しかし、公民の財産(車など)や施設(日本料理店やホテルなど)に被害を与える行為は犯罪行為であり、愛国心とは程遠いものだ』としています。私の周りの人もそのような行為には批判的です。土曜日のデモに遭遇したとき、一人の青年が『そんなこと(デモ)をやっても何の意味もないぞ!』と叫んでいました」
 
「私は勤め先から、『一人で買い物に行かない』『夜間の外出はしない』『外で日本語を話さない』よう言われています。わたしの皮膚感覚では危険な雰囲気はまったくないのですが・・・。9月18日は『9・18国辱の日』と中国では言われています。柳条湖事件(満州事変)から81年目です。『国辱の日を忘れるな』ということです。この日は中国各都市でサイレンがならされ、車はいっせいにクラクションが鳴らされます。もっとも、昨年の西安ではサイレンだけでしたが・・・。この日も大規模なデモがありそうです。しばらく落ち着かない日が続きそうです」
 
夜のフジTV「Mr.サンデー」で西安のデモの様子が放映された。デモ隊が車に投石してフロントガラスを割ったり、駆け上がって破壊している。最後には、ベコベコになった車を横転させてしまった。若者たちはほとんど狂乱気味だ。テレビは「絵」になる場面を放映するが、それにしても凄まじい光景には間違いない。暴徒だ。