「ハダハダの飯寿司」サイコー!!

 昨夜、夕飯のときに見事な「ハタハタの飯寿司」が食卓に載っていた。「おぉ!」と声が出て「どうしたの?」と聞いたら、「秋田出身の友人からもらった」とのこと。それにしても大ぶりの新鮮なハタハタだなぁ!と、もう一度感心した。子どもの頃に母親が作っていたハタハタの飯寿司よりも一回り大きく、お腹が卵ではちきれるように膨らんでいる。思いっきり頭からかぶりついたら、その美味なることサイコー!!。「これだよなぁ~」。
 
 生のハタハタを焼くと、その卵のかたまりは口の中でプリプリとはじけて旨みを感じる。塩漬けや飯寿司にしたときには卵の皮が硬くなる。噛むと「ブリッ」という音になる。それでこの卵を「ブリコ」と呼ぶそうだ。ハタハタは11月の魚で、深海魚である。うろこはない。漢字で「鰰」(魚偏に)と書くが、この季節は秋田沿岸では雷が多いため、「鱩」(魚偏に雷)と書く場合もあるという。
 
 子どものころ、ハタハタは「ハダハダ」と呼んでいた。この季節には母親がハダハダ、鱒(ます)、ホッケなどで飯寿司を仕込んだ。とうぜんお正月のころには物置小屋の半分凍りついている飯寿司や漬物が次々と食卓に並んだ。飯寿司は魚の色に飯の白、千切りのニンジンと生姜の彩りで食欲を盛り上げた。こっちに来てからは、ハタハタ鍋を時々やる。上品な出汁(だし)は天下一品だ。野菜や豆腐を入れて醤油で薄味をつけている。絶品の一品(ひとしな)だ。一瞬、子どものころに戻る。