「老いる者と、若さを重ねる者」

  安部(あんべ)ちゃんの勝利だ。今朝の「あまちゃん」を観ていて、これまでもっとも笑った。安部小百合(片桐はいり)に駅長・大吉(杉本哲太)が再プロポーズするまでのひっぱり場面が今日のメーンだった。もともとこの二人は夫婦だったが、半年で別れた。安部ちゃんは春子(小泉今日子)と同級生で、目立つ春子に対して地味な存在の設定だ。
 
 奇怪な女優=片桐はいり、が演ずる安部ちゃんは番組の最初から期待させたし、決して期待を裏切らなかった。「影武者と落武者は違う!」と、東京・上野の「まめぶ汁」屋台で落ち込んでいるアキに投げかけた。その一言が、終盤になってこのドラマの核心であったことが判明してきた。宮藤官九郎(クドカン)脚本の巧妙な仕掛けマジック!!。
 
 結末に入ってきて展開のダイナミズムがもう一つ乏しかったが、今朝の「落書きプロポーズ電車の試運転シーン」で一気に盛り上がった。副駅長・吉田の曲者(くせもの)ぶりが遺憾なく発揮された。彼も終始、怪しげな顔芸で好演した。吉田役の荒川良々ドラマでもCMでも不思議キャラだ。このドラマの登場人物は、それぞれの 設定年齢より、みんな若々しい。
 
 今朝の読売「編集手帳」の書き出し。<南米には、年の取り方について、「老いる者と、若さを重ねる者がいる」という表現がある。アルゼンチンタンゴの全盛期に活躍した音楽家たちが、数十年たって、ふたたび集い演奏する。♪若き日は過ぎ去った。君はもう戻らない・・・。歌声も伴奏も、瑞々しい>。今週金、土の北海道・余市高校同期会(於・朝里川温泉)に行けない、残念!!