「安全な野菜・うまい野菜」のカリスマ候補たち

今週火曜日(29日)、「食生活ジャーナリストの会」2013年第5回勉強会に出席。テーマは「有機農家と八百屋が語るキレイゴトなしの安全な野菜・うまい野菜」。いまマスコミから注目されつつある久松達央氏(久松農園代表)、野村知司氏(「やさいふうど」オーナー・八百屋)が講師。両氏の対談形式で進行した。
 
久松氏は茨城県有機野菜を栽培、会員消費者と都内の飲食店に直接販売。ソーシャル時代の新しい農業者として、仕掛ける農業を展開中。「日本一話のうまい農家」との異名をとる。著書「キレイゴトぬきの農業論」(新潮新書)を9月に出版。
 
野村氏は東京農大時代から「都会の産地直売所」事業に参画。2012年から雪谷八百屋「やさいふうど」を展開。全国の生産者と地域のお客様を「味の良い直送野菜」と「きめ細かい情報・コミュニケーション」でつなげる。雑誌の執筆・監修も行う。
 
「野菜の安全情報の徹底は食欲を削ぐことにつながりかねない。シズル感こそ大事だ。もちろん安全についての理論武装は重要で、聞かれたら笑顔できちんと答える。消費者に『有機』や『自然』という言葉が独り歩きしている現状がある。押し付け・説教でないシンプルで短いコミュニケーションの時代だ」(久松氏)。
 
「八百屋は地域に根ざした店だ。久松氏の指摘どおり『自然食品』ならばなんでも良い、ステータスが高い、と判断する人たちもいる。店内外に『有機』とベタベタ張っている店も多い。安心のレベルは消費者一人ひとりが異なるものだ。有機の野菜で味がよく、お客様が何回も来てくれる店をめざしている」(野村氏)。
 
両氏とも消費者との相互コミュニケーションをとても大事にしている。そのコアは情報交流と信頼関係なのだ、と改めて確認できた。彼らのような40歳前後の若い農業関係者がソーシャルメディア時代に新たな切り口で活躍しているのを喜んだ。