島倉千代子さんから叔母を思う

島倉千代子さんの葬儀が昨日行われ、マスコミが大きく報道した。亡くなられた8日以来、ずっと取り上げられていた。75歳、デビューから60周年だった。自分が小学一年生から聞いてきたことになる。実際、聞いてきた。叔母のことを思った。
 
姉弟のように育った叔母(母の末の妹)は島倉さんと同年代だ。叔母がおそらくラジオで聴いている側にいたのが最初だろう。そのころは超なつかしの歌謡曲の時代で、当時の青年たちはそうした歌謡曲を聴きながら生きてきた。
 
ただ、子どものころの自分は、島倉千代子の歌はよく分からなかったし、あの声と唄い方(泣き節といわれる)があまり好きでなかった。たぶん子ども心にはあまりにも切な過ぎたのかもしれない。いま思うとそんな感じだった。
 
叔母に連れられていろいろなところに行った。余市や小樽に連れて行ってくれ、冬になれば仲間の「板がるた」の集まりにも同行した。叔母と一緒にいれば、いつも美味しいものを食べさせてもらった。「明星」や「平凡」などの雑誌も読んだ。
 
叔母は北海道・古平町に暮らしている。冬が来たので大変だろう。今年6月に実家に寄った時、兄妹4人が還暦を迎えたので食事会をした。その場に叔母をみんなで連れて行った。兄妹がお世話になったものだ。心から感謝している。
 
「カズオ、体、気つけれや」と叔母の声が聞こえる。母の声に似ている。