黄金色の「塩数の子」初競り

   【産経新聞19日 おせち料理に欠かせない「塩数の子」の初競りが19日、大阪市福島区の市中央卸売市場で行われ、黄金色に輝く数の子を前に、仲買人約30人が威勢の良いかけ声とともに値段を書き入れ、競り人に手渡していった。
この日は1・68トンが入荷。鐘の音を合図にスタートすると、市場内はたちまち活気に包まれた。米国・カナダ産が1キロ当たり9500円~4500円で取引され、貴重とされる北海道産は9千円の値をつけた。市場関係者によると、原料となるニシンの今季の漁獲高(米国・カナダ産)は約5万8千トンで、昨季より1万2千トン増えたが、円安の影響で仕入れ値が上がったため、価格は昨年並みという。
 関係者は「数の子は日本の伝統食。毎年冬はたくさんの方にコリコリした食感を味わってほしい」と話していた。】
 
 毎年恒例の「塩数の子」初競り風景だ。毎日新聞も写真付きで報じている。両紙ともにアップで写っているのは、北海道・井原水産のヤマニ「塩数の子」。幟(のぼり)にあるヤマニは屋号で、数の子のトップブランドだ。
 
 数の子おせち料理の花形だ。子孫繁栄の縁起物として重宝される。「子だくさん」、「二親(ニシン)への敬慕」という願いや思いをこめて、日本人は古くからお正月のおめでたい食膳に載せてきた。
 
 最近のお歳暮は、両親、親戚、兄弟など身内に贈るケースが多いという。かつての上司優先が変化しているようだ。大事な故郷の両親に、一年の感謝をこめて「数の子」を贈ろう。数の子は大切な命の継承を象徴する食品であり、食文化なのだ。