吉田拓郎♪「今日までそして明日から」

 昨夜のBS3「吉田拓郎ヨーコソ」で再び元気をもらった。ゲストの中村雅俊がリクエストしたのが、「今日までそして明日から」だった。この曲は入院中の5年間、何回聴いたか数え切れないほど毎日聴いた。心身ともにヘナヘナになっていた時期に、必死で聴いた曲の一つだ。そして、「なんとしても生きよう」と、息を吐いた。
 
 「わたしにはわたしの生き方がある それはおそらく自分というものを 知るところから始まるものでしょう けれど それにしたって どこで どう変わってしまうか そうです わからないまま生きて行く 明日からの そんなわたしです」
 
 この歌詞に大きく目を開け、吐いた息を今度は大きく吸った。とくに、心臓手術の前後のことだ。4年余りの埼玉医大病院心臓内科入院・通院の後、2009年12月半ばに同医大国際医療センター心臓外科に入院して、翌年1月14日に手術した。あれから4年経つ。生きている。昨夜その曲を聴きながら、、、分った。
 
 手術の全身麻酔でさまざまな夢が重層的に交錯し、流れていった。悪夢も多かった。不確かな意識の底で、自分は戦っていた。それだけは真実だ。オペラ座のような大劇場での場面が終わって、「冷たい水がほしい」と通りすがりの人たちに頼んだ。彼らは一瞥しただけで通り過ぎて行った。ダメだ、と思った時、右手が上から伸びてきて、「摑(つか)まって―」と妻の声がした。