「首相の誤算」?!

   今朝、読売新聞を読み始めて驚いた。読んでいるのは朝日新聞ではないか、そう思ったほどだ。安倍首相の靖国神社参拝についての論調である。一面トップの見出しは「就任一年、首相『不戦の誓い』強調」と読売らしいが、下の論説コラム「編集手帳」や「社説」は今回の靖国参拝を「首相の誤算」と厳しく批判している。
 
 朝日トップ見出しは「『信条』優先し強行、政権運営めど、党幹部『もう誰も止められない』」。「天声人語」も「社説」もいかにも朝日らしい。両紙を読んでいて注目したのが、一面トップのリード(前書き)である。読売が「中国、韓国が強く反発し、米国も『失望した』との声明を出した」。朝日のリードはもう少し長く、概説的だ。
 
 総じてマスコミの反応は、その唐突さが国益を損なう恐れがあると強く論じている。日本経済新聞も「無用な軋轢の懸念、残念」(社説)との立場。安倍首相は昨夜6時41分から「報道各社の政治部長らと会食」した。ここで「真意の説明」が内容のない雄弁で語られたにちがいない。各社政治部長の見解を聞きたいものだ。
 
 ここ数ヵ月の安倍政権は凄まじく、強行の連続である。官邸主導だといわれるが、背後に焦りのようなものすら伺われる。流行り言葉でないが「今でしょ!!」とばかりに重要課題を突破している。決定後に「反省すべき点もあった」でピリオド。昨日昼にK君から速報を聞いて、「来年は暴れ馬のような年になる」と予感した。