団塊の世代、未来の姿

 わが国の女性の平均寿命は86歳で、健康寿命は79歳。そんな統計があるそうだ。人生最後の7、8年間は健康でなく、人の手を借りた状態で生きていくことになる。家庭や施設で介護されたり、病院に入院したりする。昔なら死んでしまった病人が高度な治療法で生かされ、胃瘻(いろう)などで寿命が延びている。男性然り。
 
これらの処置が医療費や介護費用としてどんどん上乗せされ、社会保障費は異常に膨張していく。今後は団塊の世代が大量に後期高齢化へと進んでいく。あと10年後には老人だらけの街になる。この老人たちは、学歴が高く自己主張が強い「うるさい老人たち」なのだ。家族は親の面倒が見きれなくなり、施設に入居させる。
 
その時に何が起きてくるか?! 入居老人と病院・老人施設スタッフとの諍(いさか)だ。老人たちは対価サービスをタテに、無理難題を次々と要求する。認知症も始まり、その度合いは次第に過激になっていく。社会的成功者ほど上から目線の命令調になり、嫌われる。それに腹を立てて、また息巻く。負の連鎖が形成される。
 
不幸な時代が予測できる。老人たちもその家族も、一方、病院・施設スタッフも満たされることはない。お互いが不満をいっぱい抱えながら相対していく。衝突ばかりの現場は修羅場と化す。団塊の世代の友たち、一人で動けなくなったらさっさと死のう。医療・介護費を子孫に背負わせないで、幸せを残して去っていこう。