「いい子ちゃん広報」からの脱皮

  「広報マンがつまらない」と、ビジネス情報誌「エルオネス」1月号にある。「取材記者VS広報マン」という愛読コラムの文章だ。新聞記者同士で「昔に比べれば対応もよくなったし、優秀な人が広報部門に配置されるようになった。だけど、なにか味気なくなった」との感想で一致する。そう書いてある。
 
 「ひと昔前の広報マンは面白かった。野武士的だった。破天荒な広報部長もいた。しかし、最近は、『いい子ちゃん広報』になってしまった。記者と広報マンが話をする時間も少なくなった。もっとも、記者の側も、電子版向けに速報記事を送り、その後に、本紙用の原稿を送らなければならず忙しくなった」のだ。
 
 「広報部門の方々へ。記者と、緊張関係を保ちながら、一方で、良い関係を保ってほしい。記者が担当を外れても、一生付き合えるような記者を、あなたがつくるつもりで」。記者たちの片目は優しい目つきでも、もう片目は冷静に相手の発言と顔つきをチェックしている。関所をいくつも越えた先にしか「信頼関係」は生まれない。