青空とPM2.5

 今朝は抜けるような青空が広がっている。居間に戻って窓から再び見上げていたら、中国内陸の街にいる友人から先日聞いた言葉を思い出した。彼は短期間の休みを取って、息子さん、娘さんとお正月を過ごすために帰国していた。今回はタイミングが合わず会えなかったが、帰る前日に電話をくれた。
 
 「こっち(坂戸)は連日、凄い青空だね。向こう(西安)じゃほとんど毎日どんよりと霧がかかっている。3日間も晴れ上がったら、翌日の新聞一面で写真入り報道だよ」、「自分は外出時には日本製のマスクをつけるが、彼らのほとんどはマスクなしだ。面倒くさい、たいしたことない、などと言っている」etc。
 
 いわゆるPM2.5だが、40年ぐらい前の日本の大気汚染状態なのだろう。当時「公害」をめぐる激しい論争が社会問題として煮えたぎった。それで企業も環境技術の改善を進めて、次第に過渡な汚染状態が少なくなった。「環境対策」=負のコスト要因、と位置づけられている限り、進展はないのだ。
 
 経済成長を続けていて世界一の経済大国をめざす中国では、公害対策は当分積極的な手は打てないだろう。貧富の格差が拡大している中で、拝金思想が幅をきかす。政権は撲滅キャンペーンを打ち出しているが、ほんの表面しか明らかにならない。「中華思想の世界席巻」にこだわる国は「強権政治」しかできないようだ。