「春節で延べ36億人が大移動」/Tさんのメールから

「今年ももう4週間が過ぎ、中国の春節が目の前に迫っています。街は、お正月を迎える中国特有な大きな赤い提灯が数多く吊るされています。下町にも都心部の繁華街にも、街頭にはいろいろな屋台が立ち並び、大勢の買い物客で賑わっています。商店やデパートは年末年始バーゲンセールを行っています。「新年快楽」「A HAPPY NEW YEAR」(英字です)などの垂れ幕や看板なども街のビルに掲げられています。年末のそわそわした雰囲気です。今年は1月30日が除夕(大晦日)、31日が春節(元旦)です。
 
ところで春節の移動は1月16日ごろからすでに始まっていて、2月24日ごろまでの40日間で、延べ36億人が「民族大移動」するだろう、と新聞は伝えています。テレビでは大都市の駅から帰省客にインタビューする報道を繰り返しています。お土産をたくさん抱えた人、家族に喜びを伝えるメッセージを語る人など、これは日本と同様です。春節休みの間、帰省した人が訪問する親戚の軒数は15-25軒にものぼるようです。
 
新聞には中国各地の観光地や外国旅行の広告がよく載っています。日本への旅行広告はヨーロッパや米国、オーストラリアなどより少なく小さい扱いです。「日本観光7日間、7500元(約13万円)など。大卒2年目の給料が平均5-6万円と聞きますから、海外旅行はまだ少数のようで、パスポートを持っている人は私のいる(日本語)学校の学生(19歳から33歳くらいまで)では30人に一人くらいです。移動ラッシュの第1陣は学生で、西安から地方に向かう高速バスや列車は、まず大学生の帰省ラッシュから始まります。学生証の提示で一般より早い時期に切符が買えるようです。
 
私はこの期間を使って、四川省成都を一人でぶらぶら歩きすることにしました。2月2日出発―7日戻りです。春節期間中の中間、いわば空白期間を狙ったわけです。夜行寝台列車で片道16時間の旅です。列車往復で2泊、成都のビジネスホテルに3泊します。このところ、円安傾向が続いていて、懐が寒くなってきています。私が中国に来た3年前は 1万円=770元だったのが現在は560元に下がっています。給料は日本円なので、たとえば10万円が7万3千円に減ってしまっている感覚(事実!?)です。趣味娯楽費を減らさなければなりません。」