「北あかりバター」塩辛乗せ、サイコー

   「上手いなぁ~!!」、そう呟いた。その自分を自分が頷いていた。朝日be版「作家の口福」で「タコ焼き」を書いているドリアン助川さんの文章だ。母と分け合って食べたタコ焼きも美味しかったろうが、その30倍も美味しそうに書く技術には尊敬の念すら抱く。まさしく読み手まで幸福にしてくれる。
 
 大衆居酒屋で頼んだタコ焼きには、刻んだ長ネギがたっぷり添えてあった。フガフガと2個ばかり立て続けに食べたら、予想よりもダントツで旨かった。削り節が多めにかかっていて、雪が解けるようにたこ焼きに染み付いていった。道産子なのでタコ焼きはなじみが薄い。子どもが小さい頃、小母さんの屋台で買った以来だったかもしれない。
 
 同時に頼んだのが、ジャガイモを焼いてバターを乗っけた「北あかりバター」。ホクホクと旨そうで、なんとジャガイモの上にイカの塩辛までが乗っかっているではないか!!!! 「オォー」と叫んでパクリと一口で。これだよ、道産子は。子どもの頃、冬の寒い日に石炭ストーブの端でちょっとだけ焼いた塩辛を茹でたイモに乗っけて食った。いま思えば贅沢な味だ。