「ゴーストライター」会見

    ニコニコ動画で記者会見を見ながら、松本清張の「砂の器」をダブらせていた。「全盲の作曲家」・佐村河内守氏のゴーストライターだった作曲家・新垣隆氏が「私も共犯者です。彼が耳が聞こえないと感じたことはない」などと証言。「まさか」なのか「やっぱり」なのかいまだ闇の部分が多い。長時間に及ぶ会見で、「新垣さん」の表情をずっと見ていた。
 
記者たちからの大上段の質問にいちいち丁寧に答える姿勢が痛々しかった。彼は何%語り切ったのか? 新垣氏は佐村河内氏のビジネスパートナーだった。佐村河内氏の変貌ぶりに選択肢は「墓場まで持って行くか」、「いつ世間に告白するか」のいずれかだった。
 
後は、佐村河内氏の記者会見が普通だ。だが実際は、どうなるか―。「砂の器」で少年・本浦秀夫はやがて音楽家和賀英良として年齢も詐称し、新たな戸籍を作っていく。あの息詰まるラストシーンは再現されるか。事実は小説よりも奇なり。
 
交響曲第一番HIROSHIMA」のCDを買っていた家人は「佐村河内氏には奥さんもいるはずだけどー」と。彼は当分姿を現さないだろう。都知事選、ソチ・オリンピックの喧騒の中で、このスキャンダルは有耶無耶になっていくのかな?!