「古平のタラコ」破綻へ、に心痛む

今朝、北海道新聞どうしんウェブ」(ビジネス・農林水産)に出ている記事に驚いた。なんと「古平(ふるびら)のタラコ」が危機に直面していると伝えている。
 
『タラコ加工の古平に衝撃 協同組合・6社破綻へ 職探し始める従業員
 【古平】後志管内古平町特産のタラコなど水産品の加工業者でつくる古平町水産加工業協同組合と、加盟する6社が経営破綻する見通しが明らかになって1週間が過ぎた。古平町にとって水産加工業は基幹産業だけに、町民には大きな衝撃が走った。
 同町によると、同協組と6社の経営破綻で、従業員ら約160人(うち古平町民約130人)が失業する恐れがある。町内の就業人口約1700人の1割近く、水産加工業の従事者約320人の4割にも上る。地域経済への影響は避けられず、町内のすし店は「加工業者から会合などで仕出し弁当の注文があった。売り上げはかなり減る」と危惧する。』
 
 私の故郷・古平町はかつてニシン漁で栄え、戦後、ニシンが獲れなくなってタラコで生きてきた。「古平産タラコ」はある種のブランドになっていった。子どものころはそれぞれの家で加工して樽に詰め、等級によって異なる色の縄で縛った。
 
 当初は塩分きつく真っ赤なタラコだったが、その後、薄味で旨いタラコに変わってきた。両親はスケソウダラを獲り、タラコを製造した。それで米を買い、子どもたちを育てた。母は私が上京してから毎年、自分で漬けたタラコを送ってきた。
 
 今回のニュースに心が痛い。タラコは古平への郷愁だけでなく、体の一部なのだ。詳しい事情は分からない。ただ、事態の好転を願うのみだ。