カレーの具に、ムール貝=しゅり貝=パーナ貝

   豚肉カレーを作るときは、ほとんど毎回「パーナ貝」を一人当たり2個入れる。「ムール貝」の一種だ。北海道積丹半島では「「しゅり貝」、「ひろ貝」とも呼ばれる。東北地方では「しゅり貝」と呼ばれているそうだ。かつて東北から積丹半島にやって来た人々も多いので「しゅり貝」と呼ばれているのだろう。自分も子どものころから「しゅり貝」だ。
 
  年末に古平の「東しゃこたん漁協生産部」に魚介類を注文する。お正月用だが、その後の食材として「パーナ貝」(ニュージーランド産)も買う。この貝はカレーライス、鍋物、煮付け、汁物やパスタの具として年中食卓に上がっている。この貝独特のうま味のある出汁(だし)が病みつきにさせてしまうのだ。その期待は昨晩もカレーでたしかに満たされた。
 
  子どもたちが幼いころほぼ毎年、千葉・内房の上総湊(かずさみなと)に海水浴に出かけた。ここで子どもたちに泳ぎを教え、息子には潜る特訓もした。この浜には当時、「あおやぎ」が多くあって家族で競争しながら採った。地元では「バカ貝」と呼んでいたが、小さな娘と息子が懸命に潜って採るたびに見せにきた。これを海水に入れて持ち帰り、カレーの具にした。
 
  浜の左側に少し突き出た岩がある。その先で自分が潜ったら、予想通り「しゅり貝」がビッシリと付いていた。それらを金具を使って剥がしては子どもたちに渡した。自分の方が興奮していた。大き目の子ども用バケツに一杯分採って全員で鼻歌交じりで帰ったものだ。これも毎年、カレーなどの具になった。ほぼ全国の海岸にあるという。お試しあれ。