韓国の「名誉リストラ」

   「韓国・漂流する名誉退職者たち~50歳を襲う経済失速の波」(19日夜、NHKBS1放映)は背筋が寒くなるドキュメンタリーだった。40~50代のサラリーマンが年間40万人も名誉退職に追い込まれているという。平均年齢53.6歳。「名誉」とは後進に道を譲るという意味だ。中国市場の収縮などで韓国輸出が大きな打撃を受けている。
 
 韓国テレコム(KT)は新会長に元サムソン電子社長を迎え、新たな業態に変わろうとしている。グローバル経済の厳しい競争に打ち勝つには「人件費が負担になっている」と、3,000人の名誉退職を実施している。これまで最前線で働いていた40~50代の名誉退職者が第二の人生を模索する、苦しい日々をリポートしていた。
 
 先の「情報感度・Qの会」で講師・M氏が指摘した「経済の本格的なグローバル化に、社会も国民も覚悟が必要だ」の意味はここにある。企業も個人も厳しい競争に曝される。それにどう立ち向かうかの覚悟と戦略が不可避だ。同席した人事制度ジャーナリスト・M氏は「日本もすでに常時リストラ時代に突入している」と断言した。