鯛のアラ煮

   昨日は頼まれていた鰹のたたきを解凍するのを忘れた。せっかく楽しみにしていたのに、不覚だった。家人が「レンジで解凍できないから」と、代わりに鯛のアラ煮をつくった。大きな頭の部分で、少しだけ濃い目の味付けだ。「鯛の身は高いが、アラは安い」のだ。
 
 魚の頭のそれぞれの部分は、特有の身をもっている。筋肉質なものからコラーゲン的なコゴリまで多種。自分がもっとも好きなのは目玉の周りのトロリとした部分だ。子どものころから兄弟喧嘩をしながら目玉の取り合いをしたものだ。今回の鯛は新鮮なのでとりわけ旨い。
 
 量的に少し足りなかったが、野菜の副菜が多めだったのでおかずとしては満足した。家人は魚の焼き物は喜んで食べるが、煮物はあまり好んで食べない傾向がある。ほとんど煮魚は自分がつくることになる。子どものころはほぼ毎日、なんかの魚の煮物が卓上にあった。
 
 ホッケやカレイの煮付けは定番で、獲れたての身が醤油の味で引き立った。同じカレイでも種類によって焼きが美味しいものと、煮つけが旨いものがある。すっかり忘れたが、北海道・積丹町の妹が送ってくれる時に「これは煮たらおいしい」とかメモを入れてくれるのだ。