「たのしみは―」(橘曙覧)

  「たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひ語りて腹をよるとき」―橘曙覧(たちばなあけみ)。昨日の読売2面「四季」(長谷川櫂)に取り上げられていた。「まさに赤心(せきしん)の友たちとの団欒である。腹蔵なく語り合い、理不尽には憤り、滑稽には笑う」と解説があった。おそらく明日も橘曙覧が来るな、そう思っていたらやっぱりキター!!
  
   「たのしみは戎夷(えみし)よろこぶ世の中に皇國(みくに)忘れぬ人を見るとき」―今朝の歌である。「曙覧は国学者でもあり、尊皇攘夷の思想である。『戎夷よろこぶ』とは欧米文化をもてはやす幕末の風潮をいう。曙覧の歌った『小さな幸福』は、じつは排外主義と同根のものだった」の解説。うぅーん、後半はやや踏み込みすぎの感…?!
 
  わたしに橘曙覧の「たのしみは…」(「獨樂吟」)を教えてくれたのは、日経BP・OBで「ナショナルジオグラフィック日本版」を立ち上げたOさんだ。引退して趣味の釣りなどを楽しんでいるようだ。一昨年の今頃、神田神保町「ランチョン」で懇談をした時に聞いた。もとから大人(たいじん)の風格がにじむ人だ。たまに会いたい一人だ。