鯨は人間の4倍の魚を食っている

 昨日、第3回「情報感度・Qの会」を実施した。講師の梅崎義人氏(水産ジャーナリスト)から「日本はなぜ捕鯨にこだわるのか」についてミニレクしてもらった。参加者の質問に答えてもらいながら、さらに議論が深まって有意義な会になった。
 
 3月31日の国際司法裁判所で日本が敗訴した。現在行われているⅡ期調査捕鯨で日本は決められたミンク鯨の頭数を4/1しか捕獲しなかったとの豪州の提訴を受けたもの。これはシーシェパードなどの妨害を受けたからである。マスコミの多くは「日本完敗」と書いたが、正確でない。IWC(国際捕鯨委員会)科学委員会は、日本の調査を高く評価している。
 
 判決では、RMP(鯨を増やしながら取り続ける方法)は必要であると言及している。日本の調査捕鯨を是認している。捕鯨禁止運動には政治的な背景がある。その結果、シーシェパードなどの妨害活動(集金活動)が行われている。そのほかにも、「ロックフェラー帝国の陰謀」(1976年、G.アレン著)などが語られている。
 
 鯨類の魚類捕食量は年間4億トン、人間は同9,000万トン。日本の沿岸魚種が鯨に食われて不漁になっている。さらに、世界の畜産業の限界が明らかになってきた。狂牛病口蹄疫鳥インフルエンザなど免疫力の低下が顕著である。また、水資源の枯渇、飼料穀物生産の限界が判明してきた。鯨の「海底牧場」(アーサー・クラーク著、1957年)による養殖は今後、100億人に人口増加が予想される世界の食糧産業として必然になるはずだ。