「うなぎ四話」

「今年のシラスウナギの量は、最低だった昨年を大幅に上回る」と昨夜のTVニュース。昨日は「大暑」で厳しい暑さだったので、29日(土用の丑の日)に向けた蒲焼情報に注目。街のうなぎ店主は「卸価格が高いままなので、すぐには値段を下げられない」とコメントしていた。それでも必ず食べる客はいるのがウナギだ。
 
今朝の読売一面トップは「中国、希少ウナギ大量輸出~1~5月日本に55トン」。ニホンウナギより絶滅危惧度の高いヨーロッパウナギ(欧州ウナギ)が中国から輸入されていた。2010年12月以降、欧州が輸出を禁じている。中国が規制前に稚魚を仕入れたとしても、3年半以上養殖・出荷されるのは不自然だと、水産庁が中国政府に調査を求める方針だ。
 
DHAEPA協議会のニューズレターは「ウナギが夏バテによい理由」がテーマ。奈良時代に編纂された「万葉集」に大伴家持の歌がある。「石麻呂に 我れ物申す 夏痩せに 良しといふものぞ 鰻捕り食(め)せ」。夏バテによいことは現代の栄養学でも証明ずみだ。ビタミンA(皮膚や視覚に良い)、ビタミンB1 (疲労回復)、B2(発育)、E(体内の酸化防止)など。
 
ここ数年訪れていた浅草のうなぎ「色川」のご主人が今年3月末に急逝したようだ。「追悼」などの書き込みが並んでいる。蔵前の友人Sさんが絶賛する店で、たしかに鰻も米も旨い。ウナギ報道に釣られ、「色川」にネットで入って知った。残念。
 
「口コミ」で紹介されていたご主人の言葉―
 「夏の鰻ってホントは旨くねーのよ。鰻はやっぱり冬だよな。でもよう、それじゃあ夏が儲からね~ってんで、鰻屋連中が集まって無理やり土用丑は鰻の日って決めやがったのよ。なんのカンケーのねーのにだゼっ!そんでみんな喰いにいくだろ?あんな鰻なんてロクなモンじゃねーのに。ヒデえ店なんか何日も前から作り置きしてやがるんだ。で、当日になるとチョチョイとガスで焼いて出しやがる。そんな鰻なんて喰えたモンじゃねーよ。そんな出来損ないに4千円も5千円も取るんだぜ?俺っちはそんな商売なんて出来ねえよっ!おおっ?もう喰っちまったのか?なんだよ、がっついてやがんな~、デモ鰻はそーやってイッキに喰うのがイチバンなんだよな。ありがとなっ!また来てくれよっ!」