札幌・K君への返事

先日、札幌のK君から「ウイスキー純愛物語~リタへのおもいやり③」がメール添付されてきた。ニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝・リタ夫妻の雑誌連載・第三回目の記事だ。政孝がリタの実家に下宿することになったいきさつや、彼女と結婚して日本に帰国して寿屋(サントリー)にスカウトされるまでを綴っている。
 
6月に札幌でK君と会った時にも、この連載執筆が話題になった。以前も書いたが、今回、K君はかなりの資料を読み込んでいる。二人で森瑤子が書いた小説「望郷」について話し合ったが、彼独自の研究成果を加えながら説明してくれた。9月末からNHK朝ドラ「マッサン」が放映される。ドラマがどう展開していくのか!?
 
K君の執筆はますますエンジンがかかってきた。無駄のない文章が読み手にドラマ性を感じさせる。元々の情報量はかなり多いはずだから、ギリギリまで削って完成させた文章だろう。彼の情報感度は文学的にもかなり優れたものだ。If作家・池澤夏樹氏(札幌在住)が竹鶴夫妻を書いたら、これに近いかもしれない。
 
仲間だから少し褒めすぎたが、知的文章として満足して読ませてもらった。池澤氏の感性は父親(福永武彦)譲りで透明感にあふれている。K君の行間のそれは彼自身の風である。