退院当日食べたもの

   内緒だが…、退院後に食べたもの。一昨日の退院はお昼になったので、帰宅途中にある和食チェーン「とんでん」に直行した。「退院したらまず何を食べるか!?」、数日前からそれを楽しみに病院生活を忍耐していた。腹の激痛に死ぬ思いをし、5日間の食事停止にこれで人生も終りか、と絶望していたのにだ。治ったら即この有様だ。(バカタレめ!!)
 
 北海道そば・天ぷらつき、ホッキ貝の握り二個。これらを噛み締めながらゆっくり味わった。北海道そばは独特の風味と舌触りをもつのでたまに食べたくなる。かつて北海道出張の週末に、故郷の積丹半島・古平町に向かった。JR小樽駅の出入口に向かって左の地味な食事処で北海道そばを平らげてから、古平行きの中央バスに乗り込んだものだ。
 
 
 幼いころ、母と小樽に来ると必ず蕎麦屋に寄った。蕎麦好きの母が行く店はそこではなかったが、蕎麦の色は駅の店のと一緒だった。子どもの自分は決まってカツ丼を頼んだっけ。「とんでん」の北海道そばを食べながら、そんなことを思い出した。「とんでん」は九月から「おせち料理予約」を受け付けていたが、「最高・5万円」のがすでに完売したという。
 
 その夜、家人に「ラーメンが食べたい」と注文した。自宅にある「旭川ラーメン」に具をたくさん入れて食べる。厚切り焼き豚が5枚も入っていた。まずはレンゲでスープを味わって麺を啜りこんだ。この味が欲しかったのだ。昼と夜の食事で生き返った。餃子は3個で我慢したが、塩分5%の病院食の反動がなせる業だった。「消化の良いものを」と助言してくれた医師には秘蜜だ。