Tさん、中国・西安での暮らしぶり

 中国・西安にいる友人・Tさん(日本語学校教師)がさらなる円安に泣いているだろう。日銀の追加緩和で、昨日は一時1ドル114円台をつけた。打撃になるだろう。一昨日夜届いた長いメールで、彼の暮らしぶりがよく分かる。一部要約する。
 
 「十一月、ますます気温が下がって暖房が欲しい位ですが、西安市の集中暖房は今月15日から。暖房費は一ヶ月400元、約7200円。中国の物価水準ではかなりの額です。日本の感覚では二万五千円くらい。3年半前の赴任時、日本円一万円で800元と交換できたが、現在の円安では 540元にしかなりません。給料は日本円ですから、大幅な緊縮財政です」
 
「私の西安滞在は三年半が過ぎ、市内や近郊はバス、地下鉄、電車で一人でも動き回れるようになって、退屈する時はありません。ときどき学生の誘いで故郷の実家に遊びに行きます。西安市内からバスや電車で一時間から三時間くらいのところが多く、郊外の農村や農家、自営業の風景、家庭の生活を知ることができます。日本の1960年代 70年代の懐かしい風景や生活様式が見られます」
 
「今まで10人以上の学生の家を訪れましたが、家族みんなで歓迎してくれて食事をご馳走になったりします。その町の名所旧跡に案内してくれます。日本と違うところは、自宅に実に気軽に人を招くことです。手土産持参の習慣がなく、手土産を持って行くことは『あなたとはあまり親しくないので土産を持って行くのだ』とも受け取られない雰囲気。そうするともう2度とその人を招かない、とも言われています」
 
「学生と教室を離れて行動することは学生にも私にも、語学上の大きなプラスになります。入門期の日本語と入門期の中国語でなんとか意思を伝えようと努力するので会話力をつけるにはいい機会になります。数ヶ月間しか学ばない学生の日本語力と、3年半中国に滞在する私とは語学力は同じくらいなんです」
 
来年2月に滞在ビザの期限が切れる。Tさん(69歳)はその後の人生設計を検討中だ。文末の「学ぶのを止めた時、人はそれを『老人』というそうですから」とは何を示唆する??