大国覇権主義

APECが北京で開かれたが、その一連の報道を観ていて、経済ジャーナリスト・M氏の発言を思い出した。自分が主宰して4月に行った第二回「情報感度・Qの会」で、講師のM氏は次のような見解を述べた。
 
「パワーを背景にした国家資本主義が市場を利用して、エネルギーなど国益で勝てばよいとの流れがある。今後は国内で社会のさまざまな場面で急速にグローバル競争がはげしくなる。わが国が未曽有のグローバリゼーションの渦に巻き込まれていく。そうした変化に対して、いま、社会も国民も覚悟が求められている」
 
前後の解説を思い出しながら書くと、「世界に再び、大国による覇権主義が横行する。その動きが今年いちだんと加速するだろう。金融、資源などをめぐって、各国の露骨な争奪戦がこれから展開されていく。わが国は脱デフレ後の国のあり方について、今からきちんとビジョンを描いて準備を進めるべきだ。その覚悟のことだ」
 
 今回の解散騒動をみていて、なんと政治家はズレテイルのか?と改めて思わざるを得ない。旧態依然、究極のマルドメ(まるでドメスチック)思考。「消費増税はみなさんのために延期しますが、どうお考えになりますか」と恩着せがましく言われて、「それじゃ、しょうがないか」と同意する人は多いか少ないかが問われているようだ。