「箱根駅伝」と人生

  文章の流れの中で新年を迎えた。「冬の喝采~運命の箱根駅伝(黒木亮著、幻冬舎文庫)を一昨日夜から読んでいる。著者の本名・金山雅之が早稲田大学競争部に入り、あの瀬古利彦らと箱根駅伝を走る。監督は鬼、狂気と呼ばれた中村清だ。
 
 金山は北海道空知管内北部の秩父別町(ちっぷべつちょう)出身。深川西高校から早大法学部に進んだ。故障など多くの困難を乗り越えて箱根路に導かれていく。走ることへのひたむきさと苦悩が赤裸々に描かれている自伝的長編(上・下巻)だ。
 
 マラソン走者のような早さで(上)を一気に読み終えて、今日午後から(下)に取りかかる。レースの結末はまだ分からない。瀬古、中村監督、宗兄弟などテレビで見ていた当時を思い出させる。「タイムス・ロードレース」など北海道の場面も多い。
 
 昨夜遅く「折り返し点」を通過して、これから後半「下巻」に突入する。人生はよくマラソンに例えられる。陸上の神様はゴールするまでさまざまな波乱を用意している。人々はそれぞれの思いをもって明日、明後日の箱根駅伝に目を奪われるだろう。
 
 早大監督・渡辺康幸は今回で退く。今朝の各紙には予想記事が報じられている。早稲田はどう走るのか、興味深い。一方、わたしの人生マラソンは今年どうなるのか? すでに円滑に走ることさえママならないが、這ってでも笑顔で前に進みたい。