「ゴーストライター」

  「りんご、剥いて頂戴」―ドラマ初回、終盤で売れっ子作家(中谷美紀)がアシスタント(水川あさみ)にそう言う。もってきたリンゴを作家はフォークに刺して口に入れる。この場面が今後のドラマ展開のトリガー(引金)だ。作家は禁じられている「善悪の知識の木」(創世記2章17節)の果実を食べた。ここから罪を犯すイヴになる。
 
 次回からアシスタントが作家の原稿を代筆するゴーストライターに変身するだろう。その愛憎と駆け引きの微妙な演技に期待する。このドラマは昨年の佐村河内守ゴーストライター事件をあきらかに意識している。作家のゴーストライター説も業界ではよく語られる。
 
昨夜スタートしたこのフジテレビ・ドラマ「ゴーストライター」。冒頭から流行作家とゴーストライターの関係破綻が露呈されている。生々しいオープニングだ。出版=ビジネスのリアルな現実がさらに誇張されて露出するだろう。神に追われたイヴとアダムは我々の姿でもある。
 
私は「水川あさみ』のファンです!!」、2012年11月20日のブログでそう書いた。
 
「実は水川あさみの隠れ大ファンなのだ。NHK大河ドラマ「江」のときの次女役で活躍した女優。このときはややユーモラスな面を醸し出す役をこなしてなかなか上手かった。
 
 彼女を初めて凄いと思ったのは、フジテレビのバチスタ(心臓外科手術)チーム・ドラマ「医龍」(坂口憲二稲森いずみ主演)だった。水川は手術の際に坂口にメスなどをタイミング良く手渡す仕事のできる看護師役で登場した。そのキレのある演技に注目していた」。