ナマズの天ぷら

 夕方、「いま和光市、これから東上線に乗り換える」とTさんから電話。30分後に若葉駅前の味処「いちき」で待ち合わせることにした。この店は混むので予約を入れたら、「カウンター席なら大丈夫です。団体予約が入っているので」。了承した。
 
 Tさんは「さっきまで春節イベントの横浜中華街で、中国の日本語学校で一緒だった友人と会っていた。凄い賑わいで歩くのも大変だった。西安でも食べる刀削坦坦麺を味わってきた。中国のはかなり辛いが、日本のはそうでもない」と一息入れた。
 
 この店は新鮮な魚が美味しい。まず刺身類を注文して再会に乾杯。あん肝ポン酢、白子天ぷらとナマズの天ぷら、若竹煮、串焼き盛り合わせ(味噌ダレ)と続けた。白子はポン酢もいいが、あえて天ぷらにした。昔、仙台でその濃厚な旨さを知った。
 
 西安では「白酒」で鍛えられているTさんと日本酒「明鏡止水」(長野・佐久)、「東洋美人」(山口・萩)で再度乾杯。小生は久しぶりの酒なので雀の涙ほど付き合い、もっぱら食べ役。ナマズ白身で真鱈の身をしっかりさせた食感。淡白な味だった。
 
 今年70歳を迎えるTさんは、「これから一年間、西安の大学に留学して中国語を勉強したい。会話が半人前なのでもう少し上手になりたい」。就業ビザを留学ビザに切り替えるつもりだ。彼は流暢な英語を話すので、中国語もマスターは早いだろう。
 
 語学留学は楽しそうに話したが、昨年8月の帰国時に再会した大学時代の親友が年末にガンで亡くなったという。「昨夏に会っておいて良かった」としみじみ話した。お互いに悔いがないように語り合ったという。彼も小生も人生いろいろ、まだ続く。