昔おせわになった人

   今朝のニュースで「2020東京オリンピック組織委員会のスタッフ募集が始まる」と伝えていた。元FM東京にいたOさんを思い出した。わたしが入社してほどなく先輩のSさんが紹介してくれた。当時、Oさんは夕方のクラシック番組を担当していた。
 
何かの折に、昔おせわになった人を思い出すことがある。Oさんはその一人だ。Sさんは1964年の東京オリンピック組織委員会にいて、文化放送(?)でマラソン中継を担当していたOさんと仲良くなった。二人の失敗談や上手くいったケースなどの微笑ましいエピソードも聞いた。その後、OさんはFM東京に移った。
 
いま考えたら迷惑をかけつづけて恥ずかしいほどだが、わたしは時間があると新橋・田村町の会社から当時虎ノ門病院の近くにあったFM東京にOさんを訪ね、音楽の話や放送界の話を聞かせてもらった。番組がどのように作られ、担当者は何を考えているのか?、いまマスコミはどんな方向を狙っているのか。などを。
 
Oさんは10歳ほど年上だが、謙虚で優しい人だった。訪ねていくとほとんど会ってくれた。こちらも若干のニュース素材を用意していくが、99.9%はOさんの役に立たなかった。新卒で無知の自分が、未知の世界を歯切れの良い話しぶりで教えてもらうのが、楽しみだった。そして、自然に人と会うときのマナーを身につけていった。。
 
広報担当者としての自分の出発にリズムをつかませてくれた恩人である。そういえば、入社最初の上司は大阪万博でスタッフだった年上の女性だった。この人の渉外力からも多くのことを学んだ。社内には「万博出身」の優秀な女性が数人いた。大きなイベントは優秀な人材を育て、その大きな輪をつくるものだと思っている。