「飯島耕一特集」

 今朝PCを開いたら、作家・Fさんが転送してくれた「ミッドナイトエクスプレスWEB」が届いていた。季刊発行の詩の本だ。(http://www.midnightpress.co.jp/mpweb-13.pdf)。朝飯前にさっと流したら「飯島耕一特集」が組まれている。ましてや、エズラ・パウンドのことや、今は亡き新倉俊一氏の発言が載っている。
 
 新倉俊一氏はフランス文学者であったが、自分にとっては米国詩人のエミリー・ディキンソンの訳者としての方が重要だ。この女流詩人は生前ほとんど認められることなく、静かに自分の世界を貫き通した。底流はエズラ・パウンドともつながっている。卒業論文で取り上げたが、当時、訳本は新倉氏のものだけだった。
 
そうそう、飯島耕一。学生時代にNさんと二人で詩集を発行し、Hくんとはシュールレアリズムの詩人、作家について話し合った。自分にとって20代前半のあこがれは、「大岡信」と「飯島耕一」だった。ユリイカから出版された「大岡信詩集」と「飯島耕一詩集」は今でも本棚に並んでいる。キーワードは「不条理」。
 
 林真理子の朝日連載「マイストーリー」の本日分にこうある。「書くということ、記録するということで、バラバラになっていた点がみんな結ばれ、それは一つの線になって未来につながっていくのです」。自分史出版社につとめる主人公の言葉だ。書いても「一つの線」にならないし、「未来につながらない」。林氏は皮肉屋だ。