入社式―新入社員は「消せるボールペン型」だと!!

昨日、病院の新館前に「新年度入社式」の白看板が立っていた。医療法人だから「入社」で、「入院」ではない(スンマセン!)。入社人数を聞き忘れたが、医師、看護師、技師、事務職すべてが患者に優しいホスピタリティあふれる人材に成長してほしい。外来の待合ロビーにいると分かるが、廊下を通る人で若いのは病院職員だけ。あとは自分と同年代かそれ以上の高齢者、口うるさい年寄りだらけだ。10年後には社会全体がこんな様相になるのだ。
 
 病院だけではなく、老人介護施設でも入社式が行なわれた。「グループ3施設合同で、約30人の若い人たち、中途入社者が出席した」と家人が話していた。ここでもホスピタリティが基本である。米国・ミシシッピ州南北戦争記念館を訪問した時、当時使われていた部屋の壁に「God is Hospital」と南軍負傷兵による落書きが残っていた。神に仕える気持ちで入社する職員を病院、介護福祉施設などはとくに大事に育ててほしい。
 
新聞の経済面には、例によって入社式でのトップ激励を掲げている。「グローバル人材へ」、「誰にも負けない強みを」など競争社会を生き残れ、切り拓けとの挨拶が多い。毎年、これらの言葉を読みながらつくづく「厳しく余裕のない時代になったものだ」と思う。団塊の世代が入社した頃は、日本経済が活性化していて気分はのびやかだった。日本生産性本部の調査によれば、今年の新入社員の特徴は『消せるボールペン型』だという。
 
その心は「見かけはありきたりなボールペンだが、機能は大きく異なる。見かけだけで判断して、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を活用しなければもったいない。ただ注意も必要。不用意に熱を入れる(熱血指導する)と、色(個性)が消えてしまったり、使い勝手の良さから酷使しすぎると、インクが切れてしまう(離職してしまう)」。
 
 先輩たちは受身のホウレンソウ(報告・連絡・相談)はもちろんのこと、攻めのプレゼンテーション能力アップを丁寧に指導してあげてほしい。