「天狗の火渡り」

「天狗の火渡り」が飛び出すような「古平(ふるびら)・琴平神社例大祭」の大ポスター。札幌古平会会長の相良孝一さんが送ってくれた。7月10日(金)~12日(日)の開催だ。ハイライトは10日の海上渡御と11、12日夜の猿田彦(天狗)火渡り。とくに、土・日の夜、天狗火渡りは子どもも大人も興奮で盛り上がる。
 
 
相良さんは一学年下で、札幌で設計事務所をやっている。故郷・古平を思う心は熱く、11月に開かれる東京ふるびら会の総会・懇親会にも毎年駆けつけて旧交を温め合う。札幌古平会の会合では会場で盆踊り(「正調越後踊り」)が踊られているという。東京ふるびら会でもかつて盆踊りをやっていたが、会場の関係もあって現在は行われていない。
 
 お祭りと盆踊りの太鼓と笛の音は脳髄に沁み込んでいる。とくにお祭りの音は夏が始まる期待と喜びでワクワクした。数年前、祭りの日昼過ぎに弟から電話があった。「いま家の前を行列が通っていく。祭りの音、聞かせるから」。あの懐かしい響き。一瞬、並んだ屋台の綿飴、金魚すくいセルロイドのお面が浮かんだ。お祭りの夜の屋台には一種の妖しさもあった。
 
 新地町に「天狗」という飲み屋がある。弟の同級生がやっていて、何回か行ったことがある。店主はかつて「天狗さん」を務めた。古平の人は天狗さんを尊敬している。神輿を先導しながら旗の付いた矛(ほこ)を振り回し、大股で歩きながら演技する。そのパフォーマンスが上手いと町民は褒め称える。多くの古平町出身者が祭りには故郷に帰って同期会をやっているそうだ。