浮世絵のモザイク画

   片付けに悪戦苦闘している。家族が本と資料を2階の書斎から1階の和室に運んでくれた。まだ、半分だがダンボールの山状態だ。昨日から仕分けを始めたが、なかなかはかどらない。イヤになってきた時に、写真入りの箱が出てきた。その一番上に、久喜市の友人・Hくんのご両親による「浮世絵モザイク作品展」の案内状と作品のカラー写真7枚が出てきた。
 
 札幌・狸小路の額縁店のサロンで開催された時のものだ。葛飾北斎富嶽三十六景より」、安藤広重東海道五十三次より」はじめ英泉、歌麿、豊国など9人の浮世絵画家の作品をモザイクで制作している。制作者として父上と母上の名前が併記されている。共同制作したのだろう。10月22~27日までとなっているが、年号が入っていない。父上は当時帯広で商業デザイナーだった。
 
 「父の作品展示会を神田でやる」と彼が告げたのは、私がまだ入社してまもない頃だったように記憶している。「浮世絵をモザイクで復元するのは面白い企画だ。新聞の文化部、学芸部に案内を送ってみたらどうか」と提案したように思う。Hくんはそれを実行して、たしかどこかの新聞の告知欄に紹介されたのではなかったろうか?! その後、彼が大事にしている父上の作品をみせてもらった。
 
 Hくんは上京してモザイク制作の仕事をやっていた。その後、印刷関係の会社に入ってキャピタル東急ホテルの印刷物のデザイン・印刷を長く担当した。ご両親の美的才能が引き継がれている、そう感じていた。帯広という街は個性的なアーティストを多く生み出している。Hくんもその一人。思い出せば、彼のお母さんには自分が上京後にたいへんお世話になったなぁ。