余市のサクランボ、半年早いペース

 「ハッチとこのサクランボの生育が早くて、農作業に追われているそうだ」、「例年は佐藤錦が6月末から収穫期に入るのに、今年は2週間も早いペースで段取りがたいへんらしい」、「北海道・余市も気候温暖化の影響をもろに受けているという」。高校同級生で取手に住むKくんからそんな電話をもらった。
 
ハッチとは余市高校同級生の山本幸章くんのことで、地元・余市町で山本観光果樹園を高校卒業以来経営してきた。現在では年間5万人も内外からのお客さんが訪れる観光スポットに成長した。うち3割強は外国人観光客だという。「彼らには日本の果物はきめ細かな高級スイーツ」(山本くん)らしい。
 
 余市町の山本観光果樹園あたりから仁木町にかけて果樹園が続き「フルーツ街道」と呼ばれ、都市部からの買い物客が手ごろな価格を求めてにぎやかに訪れる。今年はニッカウヰスキーの「マッサン」ブームで、さらに多くの観光客がハッチの果樹園に押しかけるだろう。
 
 「老年の心は少年 さくらんぼ」(伊丹三樹彦、読売「四季」から)。かつて山形・佐藤錦は高嶺の花だったが、今は各地の美味しい高級サクランボが手軽に食べられる。口に入れるとサクランボ独特のsomethingを連想させる。ハッチ果樹園に同級生が集まり、高校時代の心でサクランボ食いも悪くないね!?