真鱈卵醤油漬け、ワサビ葉粕漬け

   この一週間、食欲旺盛がさらに深化した。真鱈の卵の醤油漬けとワサビ葉の粕漬けがご飯のお供になっているからだ。積丹半島の海や山の恵みが、食欲をいちだんと刺激する。たまり続けるストレスを、食べることでひたすら解消。真鱈の子の醤油漬けを乗っけた熱いご飯にのどを鳴らし、ワサビの葉の粕漬けに思わず鼻で息を抜く。チョー極旨(ごくうま)だ。
 
 いずれも郷里の妹の「仕事」だが、口に入れたとたん自分を幼少の頃に連れて行く。祖母や母の手料理をそばで見ていた場面が脳裏に浮かんでくる。彼女たちは山海の産物を無駄なく使い切った。それらが日々の食卓をにぎわし、子どもたちはさまざまな反応をしながら喜んで食べたのだ。しかし、考えてみれば、これらは明らかに酒のアテなのだった。
 
 妹から昨夜、「朝採れたてのヒメタケノコとフキを薄い塩水に入れて冷蔵で送った。着いたら塩水を捨てて、新しい水にさらしたら生の状態に戻るから」と電話があった。「身欠きニシンも少し入れたので、ふきと一緒に味噌で煮てみたら!!」とも付け加えた。先日秋田から届いたフキはとても大きなものだった。積丹半島のフキはそれに比べたら小学生並みだ。
 
 昨晩は積丹沖「サクラマス」をバター醤油で焼いて食べた。ニンニクを少しだけ効かせた。やや赤ピンクの切り身にまず美味しさを感じ、口に入れたら再び「旨い!!」と喉が言った。サクラマスはヤマメと同根だ。川から海に降りて生育して、ふたたび川に戻るのがサクラマス。川などにそのまま留まり続けるのがヤマメだ。魚形は環境で変化する。まさしく今が旬の味。