埼玉県知事選、いよいよ本格化へ

 8月9日の埼玉県知事選に向けた動きが本格化する。昨日、県市長会長の久喜市・田中市長らが上田知事に立候補を要請した。上田氏は「重く受け止め、判断する」と述べた。「近く4選を目指して出馬表明する方針だ」(読売)。
 
一方、自民党埼玉県連(会長・新藤義孝)は5月13日、早々と「天皇陛下の執刀医・天野篤氏への出馬要請」を発表した。天野篤順天堂大学教授は県内蓮田市出身。記者会見で前総務相・新藤氏は、「天野氏には医療、福祉の充実という(埼玉県の)課題に最適な判断ができる資質がある。県民の期待の声を聞き、最終判断してもらう」と述べた。
 
天野氏は県連の出馬要請に対して「前向きとされる」(産経)とも、「ノーコメント」(共同通信、朝日)とも伝えられている。本人から承諾を得る前の「出馬要請会見」は異例。新藤氏は、「天野氏への出馬要請は県連独自の判断。党本部との調整については連絡を取ってやっている」(毎日)と話した。
 
天野氏が上田知事4選をめぐる駆け引きに巻き込まれそうだが、自民党本部の判断がカギ。もしも天野氏出馬となれば、マスコミが殺到して狙い通りの大接戦になる。それほどのカリスマ性をもっている。ただ、わたしは、天野氏本人は出馬しないと思うが?!開けてみなければわからないのが政治の世界、断言はできない。
 
上田知事は失政もなく、県民から安定した評価を得ている。そこで自民は上田県政打破の奇策として早期の「天野氏擁立」を打ち出した。県内市町村長への牽制球だ。その影響もあってか、今回、県市長会の上田氏出馬要請は全会一致ではなく、「足並みそろわず」(朝日)だった。勢いづく自民に、首長たちの悩ましい日々が続く。