ぬるいビール

 昨夜、父の日のお祝いで息子夫婦が食事に誘ってくれた。彼がキンキンに冷えたドライプレミアムを注文して、まずわたしに渡した。一気に喉に入れたら活が入った。この一口だけでやめて、返した。水分制限があるからだ。そんな時期に、ぬるいビールの話を書く。
 
 今朝の読売・経済面に「日中財務対話の晩さん会でふるまわれたのは、ぬるいビールだったという。手違いではない。中国の薬膳の考え方では体を冷やすことは健康に悪いとされる。ぬるいビールがもてなしなのだ」とあった。一仕事終わった後のぬるいビールか??
 
 30代半ばに先輩と埼玉・大宮の料理学校に経営者(料理研究家)を訪ねた。全国展開する料理イベントに彼の料理教室にも参加を呼びかけるためだ。日当たりの良い応接室で打ち合わせが行われ、了解を得た。その経営者は、「では、ビールで一息つきましょうか」と述べた。
 
 自ら立ち上がって縁側のほうに行き、重ねられていたビールケースから二本抜いてきた。悪い予感がした。そのビールケースの場所は西日がもろに当たっていたのだ。先輩も気がついた。経営者の手にあるビールが、これまた冷えてもいないグラスに注がれだした。
 
 やはりぬるいビールが供された。先輩が一口飲んで、「久末は無類のビール好きなんです」と余計なことを伝えた。経営者はわたしに「冷たいビールは体に悪いんですよ」と矢継ぎ早に告いでくれた。もうヤケクソ。生ぬるいビールはストレス過剰で体に悪いんだってば!!