「友なる者はその徳を友とせよ!!」

 札幌に滞在中の竹馬の友・Cちゃんからのメールに中国の名言があった。アラスカ、カナダ、中国などで超グローバルに活躍している彼らしい言葉が綴られていた。
 
「常に『友なる者はその徳を友とせよ!』を教訓として、今まで海外のあちこちに行って来ました。言葉が満足に通じ合わなくても、各国にそれらしき友がいることは自分の宝です。そう信じて付き合ってきました」。
 
 「友なる者は―」の意味するところが十分に理解できなかったので、森友幸照先生にその意味を詳しく教えてもらおうと電話した。森友さんは歴史研究家で中国古典にも詳しい。20代後半から中国古典、幕末・明治維新の思想、明治の企業家の理念について40年間も個人的に拝聴してきた。先生はいま86歳で現役、毎月7カ所で定期講演を行っている。
 
 「その『友なる者は―』の出典は『孟子万章篇』です。真の友とはお互いの人間性すべてを受け入れ合い、尊重し合う付き合いだと述べています。本文は、以下の通り。
 
不挟長、不挟貴 不挟兄弟而友 友也者、友其徳也 不可以有挟也
(長を挟まず、貴を挟まず 兄弟を挟まずして友たり 友とはその徳を友とするなり   以って挟むこと有るべからざるなり)
 
 真の友との付き合いでは、年齢の上下や、身分の高低を持ち込んではいけない。自分の兄弟を誇ってはいけない。友とはお互いの道徳・思想を共有するものだ 真の友情とはそれ以外のすべての驕りを度外視して初めて成立するものだ。
 
 このような意味になる。その言葉を君に送ってくれた友だちは、謙虚で、立派な信念をもった人物です。その人とさらに深い友情を極めることを望みます」
 
 わが師からまた励ましの言葉をもらった。電話から響いてくる魂の声に、胸が熱くなってただ肯くだけだった。ありがとうございます、Cちゃん!! 森友先生!!