〈ただ人は情あれ、朝顔の花の上なる露の世に〉

 今朝の読売・「編集手帳」は名文だ。「朝顔はどこか人に時の流れを考えさせる」がキーワード。〈朝顔の紺のかなたの月日かな〉(石田波郷)から幼い時の思い出、東京・入谷の「朝顔市」、なでしこジャパンからの贈り物と綴っていく。遠い昔の夏休みに描いた鉢植えの絵日記、なでしこたちの紺のユニホーム、そうした心象を描く。
 
試合後、涙の止まらない岩清水梓選手の肩を笑顔で抱いていた安藤梢選手の姿が「まぶたに残る」と記している。わたしたちは昨日の朝、なでしこたちのすべてを見逃さずに応援していた。彼女たちから言葉にならない必死のメッセージを受け取った。その中には、忘れがたい教訓も含まれていたと思う。
 
 同コラムはこう結ぶ。「〈ただ人は情けあれ、朝顔の花の上なる露の世に〉(室町期の歌謡集『閑吟集』)。ものの本によれば、朝顔花言葉は『固い絆』と『明日もさわやかに』だという」。うぅーん!!上手いなぁ!!「ただ人は情けあれ」、この言葉の深さを思う。