ベトナム・ホーチミンからの写真

 ベトナムホーチミン市に滞在中のTさんから「ベトナム戦争戦跡博物館」などの写真15点が届いた。写真は「枚」、「葉」、「点」などで数え.るが、これらはやはり意味のこもった「点」だと思った。前進する戦車、殺したベトナム人を手でもちあげ突き出す米兵、枯葉剤被害で生まれた可能性がある奇形児(べトちゃん・トクちゃん他)、etc。
 
 今回のメールには言葉やコメントはなかった。ただ、iPad(タブレット)で撮った写真が数点ずつ添付された形で送られてきた。画面を覗いてシャツターチャンスを決めるTさんの真剣な顔が浮かんだ。数年前からiPadで写真を撮り続けていて、二人で歩いていても時々立ち止まって撮影する姿は良くあることだった。
 
 中国・西安での学校、日常生活の写真もかなりの数が送られてきた。その場を知らない小生宛に、親しい友人たち、中国の新幹線切符、晩ご飯を食べる食堂のメニューなども入れてある。これらの写真と彼の性格を組み合わせれば、どのような生活を過ごしているか想像がつく。普段は怒った顔をみたことがない温厚な人だ。
 
 しかし、ときどきだが怒った目をすることがある。一瞬なのでたぶん他の人はあまり気づかないだろう。一つは正義と生真面目の押し付け、もう一つは安易な慰めや激励をされた時だ。もちろん大人だから、その怒りは面に出さない。そして、すぐ忘れる癖をつけているようだ。「死ぬときは死ぬさ」と言い放ちながら、放浪している。